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【消えた理由】おもちゃのバンバンはなぜ無くなった?栄光と終焉の物語【懐かしのヒーロー】

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【消えた理由】おもちゃのバンバンはなぜ無くなった?栄光と終焉の物語【懐かしのヒーロー】 おもちゃ知識
【消えた理由】おもちゃのバンバンはなぜ無くなった?栄光と終焉の物語【懐かしのヒーロー】

「おもちゃのバンバン」…あのワクワクした場所は、今どこに?

皆さん、こんにちは!ファミコン世代ど真ん中、おもちゃに育てられたと言っても過言ではない「いろパパ」です。

突然ですが、特に30代後半~40代以上のパパママ世代の方、「おもちゃのバンバン」という名前、覚えていませんか? あの、ちょっとポップで目立つ看板、黄色と赤が印象的だったお店。中に入れば、通路の両側にぎっしりと積まれたおもちゃの箱、キラキラ光るショーケースに並んだ最新のファミコンソフト、女の子なら誰もが憧れたであろう人形やままごとセット、男の子心をくすぐるプラモデルやミニカー…まさに

子どもたちにとっての「夢の場所」

でしたよね。誕生日やクリスマスには、「バンバンに連れてって!」と親にお願いした記憶がある方も多いのではないでしょうか?

いろパパ
いろパパ

いやー、懐かしい!僕の地元にもあったよ、おもちゃのバンバン!自転車で友達とよく行ったなぁ。店内は、決して今みたいにおしゃれではなかったかもしれないけど(笑)、とにかくおもちゃが『これでもか!』ってくらい置いてあって、宝探しみたいでワクワクしたんだよね。ショーケースに張り付いて、ファミコンのカセットをどれにしようか、なけなしのお小遣いを握りしめて悩んだ時間は、最高の思い出だよ。まさに、僕らにとってのヒーローみたいな存在だった!

いろママ
いろママ

私も名前は聞いたことあるわ!近所にはなかったけど、テレビCMとかで見た記憶があるような…。確かに、あの頃はおもちゃ屋さんに行くのって、すごく特別なイベントだったわよね。欲しいものを指さして、親におねだりしたりして。

しかし、あれほど全国のロードサイドで見かけた「おもちゃのバンバン」は、いつの間にか私たちの街から姿を消してしまいました。「そういえば、最近見ないな…」「どうしてなくなっちゃったんだろう?」そんな風に疑問に思っている方もいるかもしれません。

その背景には、時代の大きなうねり法律の改正、そして意外な親会社の存在が隠されていました。あの輝いていた「夢の場所」が、なぜ表舞台から去ることになったのか、その理由を紐解いていきましょう。

この記事では、

  • 「おもちゃのバンバン」は、なぜあんなに人気だったのか?(成功の秘密)
  • 栄光の裏にあった「意外な親会社」「法律の壁」
  • なぜ消えてしまったのか?(時代の変化、ライバルの出現、倒産の真相)
  • ライバル「ハローマック」はどうなった?
  • バンバンが残してくれたものとは?

などを、当時の熱気と、少しの寂しさを感じながら、「いろパパ」が詳しく解説していきます!
あの頃のワクワクを思い出しながら、一緒にバンバンの物語を紐解いていきましょう。

時代の寵児へ:ファミコンブームと「郊外型」戦略で急成長!

「おもちゃのバンバン」が誕生したのは1985年。まさに、任天堂のファミリーコンピュータ(ファミコン)が社会現象になろうとしていた、絶好のタイミングでした。この時代の波に乗れたことが、バンバン成功の大きな要因となります。

ファミコンブームの波に乗る!最強のキラーコンテンツ

1985年といえば、「スーパーマリオブラザーズ」が登場し、日本中がファミコンに熱狂し始めた年。子どもたちの関心は、新しいゲームソフトや関連グッズに集中していました。バンバンは、この巨大な「ファミコンブーム」の波を的確に捉え、最新ソフトはもちろん、攻略本や周辺機器まで、子どもたちの「欲しい!」の中心にあった商品を豊富に取り揃えることで、急速に支持を集めていきました。

いろパパ
いろパパ

そうだったのか!スーパーマリオとほぼ同期デビューだったんだね!道理で、僕らの世代にとっては「ファミコン買うならバンバン」みたいなイメージがあったわけだ。あの頃は、友達の家で新しいゲームをやるのが最高に楽しかったからなぁ。

「郊外型店舗」という新しいスタイルでファミリー層を掴む

当時の主流だったのは、商店街にあるような小さな個人経営のおもちゃ屋さんでした。しかし、バンバンは違いました。広い駐車場を備えた「郊外型」の店舗を積極的に展開したのです。これは、マイカーが普及し始めた時代の流れを読んだ、画期的な戦略でした。

  • 車でのアクセス抜群: 家族連れが車で訪れやすく、まとめ買いもしやすい。
  • 豊富な品揃え: 広い店舗スペースを活かし、ゲームソフトからプラモデル、人形、知育玩具まで、個人商店では真似できない圧倒的な品揃えを実現。「バンバンに行けば何でも揃う」というイメージを確立しました。
  • 明るく入りやすい雰囲気: ポップな看板と、子どもがワクワクするような明るい店内。目的なく見て回るだけでも楽しい空間でした。

この戦略が、週末に家族で車で買い物に出かけるという当時のライフスタイルと見事に合致!バンバンは、子どもたちの「欲しい!」を叶えるワンダーランドとして、瞬く間に全国にその名を轟かせ、最盛期には1700店舗以上を展開する巨大おもちゃチェーンへと成長しました。

いろママ
いろママ

確かに、昔のおもちゃ屋さんって、ちょっと入りにくい雰囲気のお店もあったけど、バンバンは明るくて、家族で気軽に行ける感じだったのかもしれないわね。駐車場があるのは、親としてはすごく助かるポイントだったでしょうね。

成功の裏に潜む…意外な親会社と「法律の壁」

飛ぶ鳥を落とす勢いだったバンバン。しかし、その成功の裏には、後の展開に影響を与える2つの大きな要因がありました。これらが、後の急転直下の引き金となります。

意外な親会社:「靴の丸富」の急成長とビジネスモデル

いろパパ
いろパパ

えっ!?バンバンの親会社って、靴屋さんだったの!?それは知らなかった…!おもちゃと靴って、全然結びつかないけど…。

そうなんです。バンバンを運営していたのは、「靴の丸富」という、当時非常に勢いのあった靴の販売会社でした。丸富は、戦後の混乱期から安価な既製靴販売で成功。特に1970年代以降、時代の変化を先読みし、「ロードサイド店舗」(幹線道路沿いの店舗)へと大胆に舵を切ります。

さらに、「オーナーシステム」という独自の仕組みを導入しました。これは、優秀な社員に店長として店舗運営を任せ、会社はその売り上げから一定の利益を得るという、現代のフランチャイズ・システムに近いものです。このシステムにより、丸富は自己資金を抑えつつ、驚異的なスピードで店舗網を拡大しました。

いろパパ
いろパパ

オーナーシステムっていうのも、社員のやる気を引き出しつつ、会社もリスクを抑えて拡大できる、上手い仕組みだったんだろうね。でも、それが後々、足かせにもなったのかな…?

法律の壁:「大規模小売店舗法(大店法)」という名の”防波堤”

もう一つ、当時の時代背景として重要なのが「大規模小売店舗法(通称:大店法)」の存在です。この法律は、駅前の商店街などにある地域の小規模な商店を守る目的で、スーパーマーケットやデパートといった大型店の出店を、店舗面積や営業時間、休業日数などで厳しく規制していました。

この法律は、バンバンや親会社の丸富のような「比較的小規模な専門店チェーン」にとっては、巨大資本(総合スーパーなど)の無秩序な出店や長時間営業を防ぐ、ある種の「防波堤」のような役割を果たしていました。つまり、この法律がある限り、バンバンのような業態は、比較的安定した市場環境の中で成長することができたのです。

時代の激震:バンバンを襲った3つの変化と衰退への道

順風満帆に見えたバンバンと丸富の未来に、暗い影が忍び寄り始めます。それは、1990年代に起こった、避けることのできない時代の大きな変化でした。

①【法律改正】”防波堤”の崩壊:大店法の緩和・廃止

まず大きかったのが、「大店法」が段階的に緩和され、最終的に廃止(2000年に完全廃止)されたことです。この背景には、日本市場の閉鎖性を批判し、市場参入を目指すアメリカからの外圧(特にトイザらス参入の後押し)があったとも言われています。
この法律の「壁」が取り払われたことで、日本の小売業界の風景は一変します。

いろパパ
いろパパ

法律が変わったことで、大型スーパーとかショッピングセンターがどんどん建てられるようになったんだね。それが、バンバンや親会社の丸富にとって、直接的な逆風になったってことか…。

②【商業環境の変化】郊外型ショッピングセンター(SC)の乱立

大店法の規制緩和を受け、広大な駐車場を持つ郊外型の大型ショッピングセンター(SC)が全国に次々と誕生しました。イトーヨーカドーやジャスコ(現イオン)、ダイエーなどが代表例です。

  • 親会社「靴の丸富」への大打撃: SCには、ABCマートに代表されるような、豊富な品揃えと洗練された店舗デザインを持つ新しいタイプの靴専門店がテナントとして続々出店。安さだけではない魅力を持つライバルに、ロードサイドに小型店を分散させていた丸富は顧客を奪われ、急速に経営が悪化していきます。かつて成功の鍵だった1700店舗という巨大な規模と、身軽な方向転換が難しいオーナーシステムが、完全に時代の足かせとなってしまったのです。
  • バンバンへの影響: SC内にもおもちゃ売り場が設けられ、「ワンストップショッピング」(一箇所で色々な買い物を済ませたい)を好むファミリー層の流れがSCへと向かい始めます。バンバンの「郊外ロードサイド」という強みが薄れていきました。

③【黒船来航!】巨人「トイザらス」の上陸と市場激化

そして、日本の玩具業界を文字通り震撼させたのが、1991年の「トイザらス」日本1号店オープンです。

  • 圧倒的なスケールメリット: トイザらスは、「玩具のカテゴリーキラー」として、他を圧倒する広大な売り場面積、国内外のあらゆるおもちゃを取り揃えた膨大な品揃え、そして低価格を武器に、一気に市場を席巻しました。
  • バンバンへの直接的な脅威: トイザらスのような大型玩具専門店の登場は、バンバンや、同じく郊外型で展開していたライバル「ハローマック」(東京靴流通センター系列)にとって、これ以上ない脅威でした。品揃えでも価格でも太刀打ちできない強力すぎるライバルの出現により、既存のおもちゃチェーンは厳しい価格競争と顧客離れに直面します。
いろママ
いろママ

トイザらスができた時の衝撃はすごかったわよね!あんなにたくさんのおもちゃが並んでるお店、見たことなかったもの!店内を走り回れるくらい広かったし。確かに、あれは既存のおもちゃ屋さんにとっては脅威だったでしょうね…。

いろパパ
いろパパ

大店法緩和とSCの増加、そしてトイザらス…まさに時代の変化のトリプルパンチだったんだな。バンバンや丸富にとっては、成功モデルが一気に崩れるような、厳しい状況だったんだろうなぁ。

あっけない幕切れ、そして時代の流れへ…

時代の変化という大きな波は、バンバンとその親会社を容赦なく飲み込んでいきました。

親会社「靴の丸富」の倒産(2000年)

大型SC内の靴専門店との競争激化、変化に対応できない旧態依然とした経営モデルにより、「靴の丸富」の経営は急速に悪化。かつての拡大路線が裏目に出て莫大な赤字を抱え、店舗の大量閉店もむなしく、2000年、ついに倒産という結末を迎えます。

「おもちゃのバンバン」の終焉

当然のことながら、「おもちゃのバンバン」も、その歴史に幕を下ろすことになりました。全国に1700以上あった店舗は、ほぼすべて閉店。一部、個人経営として看板を引き継いだ店舗もわずかに存在したようですが、チェーンとしてのバンバンは、こうして私たちの前から姿を消したのです。

ライバル「ハローマック」も同じ道を…

ちなみに、バンバンと並んで全国のロードサイドでよく見かけたライバル「ハローマック」も、同じような道を辿ります。トイザらスとの競争激化や、親会社(チヨダ)の経営方針転換などにより、2008年に全店舗が閉店。あの特徴的なお城のような建物、覚えている人も多いのではないでしょうか?バンバンと共に、一つの時代を築いたおもちゃチェーンでした。

もし倒産しなくても…厳しかったであろう現実

仮に、法改正による倒産を免れたとしても、バンバンがそのままの形で生き残り続けるのは、非常に難しかったかもしれません。

  • インターネット通販(Amazonなど)の台頭: 家にいながら、あらゆるおもちゃが手軽に、しかも安価に買える時代の到来。
  • ゲーム専門店の成長: ゲオや、当時ゲーム販売も主力だったTSUTAYAなど、ゲームソフト販売に特化したチェーン店が、バンバンの得意分野を侵食。
  • 家電量販店の玩具強化: ヤマダ電機やビックカメラなども、おもちゃ・ゲーム売り場を大幅に拡大し、集客力を高めました。

これらの要因により、「街のロードサイドにある、総合おもちゃ屋さん」という業態自体が、非常に厳しい競争環境に置かれることになったのです。バンバンのビジネスモデルは、時代の変化とともにその優位性を失っていったと言えるでしょう。

夢の場所は消えても…バンバンが残してくれたもの

こうして、多くの子どもたち(そして、かつて子どもだった私たち)に夢とワクワクを提供し続けた「おもちゃのバンバン」は、その役割を終えました。あのポップな看板を見ることはもうありません。

いろパパ
いろパパ

なんだか、時代の流れとはいえ、やっぱり寂しいね…。バンバンでファミコンソフトを選んだり、友達と最新のおもちゃの話をしたりした思い出は、僕にとって色褪せない宝物だよ。あのワクワク感は、今のネット通販じゃなかなか味わえないものかもしれないな。

しかし、バンバンが消えたからといって、おもちゃの魅力が失われたわけではありません。バンバンで胸をときめかせた私たちが親になり、今度は自分の子どもにおもちゃを選ぶ。おもちゃを買う「場所」は変わっても、おもちゃが与えてくれる「」や「学び」、「親子の時間」の大切さは、決して変わらないはずです。

「おもちゃのバンバン」は、まさにおもちゃが輝いていた時代の象徴であり、私たちにたくさんの笑顔と思い出をくれたヒーローでした。その記憶は、きっと多くの人の心の中で、今もキラキラと輝き続けていることでしょう。


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最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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